◆本書の内容2014年に入ってから、「新しい時代の幕開けだ」という声をよく耳にしますが、この言葉は、「時代の流れが大きく変わった」ことを意味していると思います。本書は、茨城県取手市を舞台に活動する貸しビル屋のおやじが、これまで挑戦してきた「アート」と「街」を繋いだ記録です。時代の流れは行政・住民・企業の「街おこし」から、「人・街・自然をつなぐ、新しいネットワーク」が待望されています。貸しビル屋のおやじの使命は「空間」を活用し、コミュニケーションの場を作り出すこと、そして「街おこしの」ムーブメントを育てることです。空間は無限の価値を生み出す財産、貸しビル屋のおやじは、「空間」を武器に挑戦し続けます。未来の取手には、「アット(@)」によって新たな息吹がきっと吹き荒れ、変化変容をもった地方都市へと成長していることでしょう。かかる思いをまとめた書物が「貸しビル屋のおやじが考える街おこしと地方都市のこれから」という一冊です。◆目次第1章 夢の再開発は幻想だった ・ヨーカ堂の進出から「取手バブル」は始まった ・駅前の再開発で街並みはきれいに。しかし……。第2章 そして、ヨーカ堂が撤退した ・もう子供がいない ・「ビジョンなき再開発」のツケを払い続ける数十年 ・「ビルを建てるから、戻ってこい」26歳で長谷商事に入社第3章 駐車場だって街の一部になる ・父から学んだ「コミュニケーションこそすべて」 ・33歳の新米社長、ゼロからの出発 ・貸しビル業の繁栄は街の繁栄あってこそ ・任意団体「とりでアートコンシェルジュ」設立へ ・アートで行政、住民、企業を繋げる試み ・芸大1年生の作品を展示した「おめでと一年生」 ・偶然の縁を龍馬展、芸能人・文化人展に繋げた第4章 空間には無限の価値がある ・アートコンシェルジェが撒いた種 ・企業や大学に「恩義を感じてもらえる」街に ・それでも街が動かないなら「自分でやってみせるしかない」◆著者プロフィール長谷 豊 Yutaka Nagataniサラリーマンを経て33歳で突然社長に就任。自社ビルのオーナーとして出発するも人と経営管理の壁にぶつかる。ダイエーや証券会社の破たん、リーマンショック、震災などマイナス要因が続く中で、人が集う場所には「空間創作」にこだわり、プロデュースが常に必要だと改めて実感し、清掃の仕方や照明の角度、看板の色使い、スタッフのシフト管理など全て一新する。結果、安心安全、かつ喜ばれる経営体質になり、まちおこしのアイデア創出を依頼される。2009年アーティスト支援団体「とりでアートコンシェルジュ」設立。地元商店会の「商人縁日」を企画、開催し恒例行事となる。現在は、NPO法人取手アットコンシェルジュ理事長として、ボランティアとビジネスの融合したプロジェクトのノウハウを広く伝えている。